徳川家康を神格化した東照大権現を祀った神社である東照宮が様々な技法の金蒔絵で描かれています。
向こうに高くそびえる木々は研ぎ出し蒔絵と平蒔絵で、手前の木や屋根は高蒔絵が使われています。
中の掛子(かけご)と呼ばれる盆にも、波打つ川や朱色の橋が描かれており、岩は高蒔絵と青貝、彼方の山は研ぎ出し蒔絵で遠近感を出しています。
このような、高蒔絵と研ぎ出し蒔絵を併用し、高低差で遠近感を出す蒔絵を「肉合研出蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)」といい、最も工程が多く高度な技術を要します。
作者は無銘。
大きさは 縦 11.5、横 14.5、 高さ 5.5です。